もし次のようなクレジットカードが発行されていればそのクレジット会社は顧客からどのように評価されるであろうか。全国のショップで使えると宣伝されていたのにいざ使おうと思うと登録情報が誤っていて利用できないという不具合が出たり、カードの情報を閲覧できるウェブサイトで他の顧客の情報がみえてしまうというデータの管理不備。さらにはカードに紐づけされた預金情報が本人のものと一致しないなど、あちこち問題がありカードを普及してはいけないようなレベルであったとする。こんなことが発覚したら誰もこのカードを持ちたいと思わないし今にでもカード契約を破棄することだろう。それだけでなく金融庁などの監督官庁から業務停止など厳しい処分が下りクレジットカードの廃止にまで追い込まれるはずだ。ところが残念なことに実社会においてクレジットカードよりもっと重要なカードがお粗末な管理体制のもと日本社会に普及し始めている。民間企業が個人情報を漏洩したら徹底的に批判する日本人もなぜか国が相手となると途端に優しくなるようだ。国が運営しているだろうから今は不具合があってもそのうち使い勝手もよくなるしセキュリティーも万全になるだろうと。このカードに紐づけられた情報はクレジットカードのそれとは比べ物にならないぐらい重要なものなのだ。そのうち改善するということでは決して許されるものではない。システムが万全でないのであれば１から作り直してでもカードの信頼を得る努力が優先されるのが当然なのだから。