25年度卒
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昨年「競争の番人」というテレビドラマを観た。坂口健太郎と杏がW主演を務めたこのドラマの舞台が公正取引委員会であったため興味をひかれた。公正取引委員会の存在はわかっていても、その職員がどのような仕事をしているかはイメージできていなかったのでとても面白く観ることができた。過当競争の社会では談合やカルテルなど不正な手段で利益を生もうと画策する企業があるなか、彼らは公正かつ自由な競争を促進し、事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすることを目的として仕事しているのである。そんなドラマより現実社会ではもっと酷いことが起きていた。事業者向けの電力の販売をめぐり中国電力と中部電力、九州電力が関西電力と顧客を奪い合わないように申し合わせるカルテルを結んでいた。それを暴いた公正取引委員会は各社に対し過去最高額となる、合わせて1千億円超の課徴金を納付するように命じるという事件だ。本来は公正な競争によって電気料金が抑制されるべきところが地域を代表する企業である大手電力会社によって、消費者だけでなく電力自由化を進めてきた政府に対する裏切り行為であり決して許される問題ではない。競争の番人がいなかったらずっと不正が続いていたのかと思うとゾッとする気分である。