25年度卒
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リュウスイフフ、流れる水は腐らずということわざがある。常に動いているものは腐らない、反対に同じ状態で変化がないものは腐ってしまうことを意味する。政治においてはこの傾向は顕著となる。トップの座に登りつめた為政者が自分の権力を維持するために民主主義、言論の自由、ジャーナリズムとさまざまな自分に対する不都合なものを抑圧する行動に出て、そして政権批判する者たちを排除するという悪循環に陥る。昨年ロシアのジャーナリストのドミトリー・ムラトフ氏がノーベル平和賞を受賞した。彼が編集長を務める新聞がロシア政権による言論弾圧や人権侵害などを批判し続けたことが授賞理由となった。もしかするとノルウェーのノーベル委員会もロシアによるウクライナ侵攻を危惧していたのかもしれない。20年以上トップの座を守り続けるためにプーチンが行ってきた数々のことがらがロシア政権の闇としてささやかれるが、彼がトップの座をゆずった瞬間にこれらの闇が世間に明らかとなってしまうことを恐れますます権力にしがみつこうとする状況になっているのであろう。すでにこの暴君の言動を止めることができるはずの側近たちは一掃されてしまったようである。ロシア政権に対しロシア国民が批判の声を上げることは自分の命すら危ぶまれることではあるが、もしこの暴君を止めることができるとすればそれは国民の強い批判だけなのかもしれない。「戦争と平和」という偉大な作品を書いたトルストイを生んだこの国の民がこの暴挙をこのまま見過ごすわけがない。外部の圧力からでなく国民自身がこの暴君を退陣に追い込みウクライナの平和を取り戻してほしいと切に願う。