吉本興業の芸人が闇営業を通じた反社会勢力との関わりが問題となったが、本人たちが記者たちの前で暴露した会見内容によって吉本興業に対する批判が一気に高まった。これが企業自身の不祥事と言えるかどうかわからないが、近年において不祥事に対し企業がどのような対応をするかでそれら企業価値が問われるのだなぁと改めて思い知らされた。今や問題が発生したら事実確認のために第三者委員会を立ち上げ、なるべく早く社外にその報告を行い、さらに再発を防止するための方法を検討すること、これらが企業のとるべき対応として当たり前となっている。だが今回はそのいずれもないどころか事実を隠し芸人をクビにしようという「臭いものには蓋」的な対応だった。昔から反社会勢力との関わりが疑われる芸能界において、在籍者数トップの吉本興業であるからこそ、今回の事件を契機に社内の体制や所属タレントの教育訓練を徹底する企業となり、同社の行動憲章にある「誰もが、いつもでも笑顔や笑い声をもてる社会」の実現を目指すことを切に願う。
税経センターグループ 代表 栗山隆史