2018年7月第142号|1|「震災と人災」|

6月18日の大阪北部地震で亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。そして被災地の一日も早い復興を祈願致します。
大阪府高槻市の地下10㎞を震源としてマグニチュード6の揺れを観測した今回の地震は兵庫県有馬市から高槻市にのびる断層「有馬-高槻断層帯」で発生したとみられている。この断層帯が動いたのは1596年の慶弔伏見地震以来で、当時は豊臣秀吉によって築城されたばかりの伏見城が倒壊したり大勢の死者が出る大災害に発展した。我々日本人の歴史において地震と震災は切っても切れない関係となってきた。日本中に無数の様にある断層が思い出したかのように地震を引き起こすのだから、日本人が地震を避けて生きてゆくことは不可能であり、地震が来た時のための防災に努めることが肝要であろう。今回の地震で小学校のブロック塀の下敷きになって登校中の児童がなくなってしまったが、何より残念なのは地震発生前から塀の構造に欠陥があることが指摘されているにもかかわらず、その対策がなされなかったことだ。大きな地震が発生するたびに防災に対する警鐘が鳴らされるが被災地から遠く離れた地域ではどこか「対岸の火事」という感覚で見過ごされてしまうようだ。いつまた起こるかもしれない地震だがその被害をなるべく小さくする社会づくりが急がれる。ましてはそれが人災となることは絶対あってはならないのだ。

税経センターグループ 代表 栗山隆史

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