ある一定期間を「災害死亡保障のみ」とするなどして保障内容を抑えることで、解約返戻率を高くした「全損タイプ生命保険」。ついに国税庁が完全な「節税目的商品」とみなし、規制をかけました。
これにより、保険会社各社は全損タイプだけでなく、半損タイプの商品も販売を自粛するなど大混乱に陥っています。
すでにご加入済みの方もいらっしゃると思いますので、2月号でご説明した生命保険用語を用いて、今後の注意点をいくつかご紹介します。
①何年後に解約すると○○円戻ってくる?
実際に戻ってくるのは「解約返戻金」となります。「全額損金」タイプの保険ですと、その「解約返戻金」と同じ額が解約した年の利益となります。せっかく節税をしたつもりでも、解約の年に多めに納税することになってしまうかもしれません。
②「実質返戻率」の記載にご注意を!
利益が出た年に節税出来た金額を考慮した返戻率が「実質返戻率」です。しかし、保険設計書には、毎年利益が出て節税したものとして記載されております。仮定での数値だということにご注意ください。
③保険設計書は「法人実効税率○%」に設定されていますか?
法人実効税率は、利益の金額に応じて変わります。実質返戻率は②の通り、節税出来た金額を反映します。ここでご注意いただきたいのが、法人実効税率が実際よりも高く設定されていると、実質返戻率も高く表示されているということです。
※よく見受けられる「33.8%」は、利益が800万円超の法人に適用される実効税率に近い数値です。
実際に戻ってくるのは、あくまで「解約返戻金」だという点にご注意ください。
以上の通り、解約時の対策や売り上げの見通しなど、契約後の方向性を決めておくことも今後重要になってまいります。ぜひ一度ご相談ください。
また、保障内容の見直しなどに関しましても、お気軽にお問い合わせください。
ファイナンシャルプランナー
阪田 健太郎