有給休暇取得義務化への準備はできていますか?
5日の有休取得 とれなければ従業員一人30万円の罰金…
いよいよ働き方改革法がこの4月から始まりました。中小企業は一定程度の猶予期間が設けられていますが、『有給休暇取得義務化』については、待ったなしで始まっています。これは「年次有給休暇を年10日以上付与されている従業員(管理監督者を含む)を対象に、有給付与日から1年以内に5日の有給休暇を与えなければならない」という内容のものです。これに反した場合、対象従業員一人に対し30万円以下の罰金という厳しい罰則を課せられる可能性もあります。
他社ではユニークな取り組みも
働き方改革法が世間を騒がせるようになってから、有給を取得させる方法についてはユニークな取り組みがあります。いくつかご紹介します。
- 3連休の無い月に、金曜日または月曜日に有給休暇を推奨
- 飛び石連休の間の日に取得を推奨
- 記念日(結婚、誕生日等)に取得推奨
- ずる休み申請(3か月に1回は、正直な申請で当日取得も可能)
- 理美容半休(リフレッシュと理容院・美容院に行くための半休制度)
など、いろんなアイディアで取り組まれているようです。
やはりカギは生産性向上
年次有給休暇は、従業員の心身のリフレッシュを図ることを目的としたものです。ただ中小企業においてはぎりぎりの人数で業務をこなし、人件費予算についても有給休暇までは余裕がないケースも多くあるかと思います。それでは今回の働き方改革法に対してどのように対処していけばいいのでしょうか。
年次有給休暇を取得させることだけに主眼を置くのであれば、そんなに問題は無いと思います。問題なのは従業員が有給を取得している間の業務をどうするか、実質の労働日数が減少するのですから人件費だけが高騰し会社の業績が低下する可能性がある、ということでしょうか。この『有給休暇取得義務』に対応していくためには、業務の効率化を図り生産性を向上させること、と同時に業務遂行方法も改善していくことが必要になると思います。簡単に生産性向上、業務改善といっても一朝一夕にできるものではありません。業務の洗い出しから無駄を抽出し、個々人でやっていた業務をチーム体制で情報・業務の共有化を推進していき、一人の従業員が有給休暇取得中でもチームでその業務をカバーできるようにしていくなど、取り組んでいかなければならない課題は多くあります。
従業員とともに意識改革。評価制度導入も視野に
有給休暇は従業員に与えられた権利であるからこそ、従業員の皆さんの知恵や行動力を結集し、労使ともに有給取得ができやすい環境作りを目指していかなければなりません。「権利だから…」ではなく、権利を行使していくために、どのように業務を行うのか等、従業員自身の意識改革を促していくという視点も必要なのではないでしょうか。
従業員の人材育成(とくに意識改革や生産性向上)には明確な評価制度が有効ツールの一つです。『何を行動改善すべきか、改善の先に何があるのか…』等を評価制度で明確に示すことができれば、働く環境の改善と同時に会社の業績向上につながっていくと考えます。今回の『働き方改革』を契機に是非ご一考ください。
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