2018年12月第147号|2|<相続法の改正>|

民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(相続法)の施行期日が決まりました。

自筆証書遺言の方式緩和については、あさひ8月号でも説明したとおり2019年1月13日と決まっていましたが、その他の法律も、10月号で説明した配偶者居住権については2020年4月1日に、遺産分割に関する見直し・遺留分に関する見直し・相続の効力に関する見直し・特別の寄与等に関しては2019年7月1日になりました。

また、法務局における遺言書の保管等に関する法律の施行期日は、2020年7月10日と定められました。この法律は、今年7月6日に成立し、同月13日に公布されたものです。

今まで自筆証書遺言については、自宅や貸金庫で保管されていることが多かったと思います。自宅で保管していた場合の問題点としては、遺言書が紛失・亡失するおそれがある、相続人により遺言書の廃棄・隠匿・改ざんが行われる可能性がある、これらにより相続をめぐる紛争が生じるおそれがあることが指摘されていました。

その対応策として作られた、公的機関である法務局で自筆証書遺言を保管する制度です。

 <概要>

  • 保管の申請ができるのは、自筆証書遺言のみです。
    また、その遺言書は、封のされていない別途定められた様式で作成されたものでなければなりません。
  • 保管の申請先は、遺言者の住所地若しくは本籍地又は遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する法務局です。
  • 保管の申請は、遺言者が法務局に自ら出頭して行わなければなりません。
  • 遺言者は、保管されている遺言書について、その閲覧や保管の申請を撤回することができます。
    遺言者の生存中は、遺言者以外の方は、遺言書の閲覧等を行うことはできません。
  • 遺言者の相続人や受遺者等は、遺言者の死亡後であれば、
    遺言書に関する証明書の交付請求及び遺言書原本の閲覧請求をすることができます。
    法務局は、交付又閲覧をさせたときは、遺言者の相続人、受遺者及び遺言執行者に通知します。
  • 法務局に保管されている遺言書については、 遺言書の検認は必要有りません。
  • 遺言書の保管の申請、遺言書の閲覧請求、遺言書に関する証明書の交付の請求をするには、手数料を納める必要があります。

今後、具体的な内容が決まりましたら改めてご紹介します。
なお、施行前には、法務局に対して遺言書の保管を申請することはできませんのでご注意ください。

【法務省ホームページ】
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html

何かお困り事がございましたら、いつでも気軽にご相談ください。
司法書士法人あさひ 04-7166-0642

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