あさひ8月号では、相続法の改正と、その改正内容から「自筆証書遺言の方式緩和」についてお知らせしました。
今回は、「配偶者の居住権の保護」についてご案内します。
配偶者の居住権保護については、配偶者を短期間に限り保護する内容と、長期間にわたりその居住建物を使用することができるように保護する内容に分かれます。
1.配偶者短期居住権
相続開始の時に被相続人(例えば夫)所有の建物に無償で居住していた場合には、配偶者(妻)は、以下の①又は②のとおり、最低6か月間は引き続き無償でその建物を使用する権利を取得します。
①居住建物について配偶者を含めて遺産の分割をすべきときは、遺産分割によりその建物の帰属が確定するまでの間、又は相続開始の時から6か月を経過する日のいずれか遅い日までの間。
② 居住建物が遺贈などで配偶者以外の第三者が所有権を取得した場合や、配偶者が相続放棄をした場合など①以外のときは、(居住建物の所有権を取得した者は、いつでも配偶者に対し配偶者短期居住権の消滅の申入れをすることができるが)その申入れを受けた日から6か月を経過する日までの間。
2.配偶者居住権(長期)
配偶者が相続開始時に居住していた被相続人の所有建物を対象として、終身又は一定期間、配偶者にその使用又は収益を認めることができます。共同相続人間での遺産分割や被相続人が遺贈等によって配偶者に、配偶者居住権を取得させることができるようになります。
例えば、建物の所有権は長男に、居住権は妻に、という内容の遺産分割協議が可能です。なお、この施行期日は、公布の日から2年を超えない範囲内(2020年7月12日まで)において政令で定める日です。
【法務省ホームページ】
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00222.html
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